紅ばらの系譜 ― 2007年11月01日 10時45分25秒
以前、ここで紅ばらについて、間違った事を書きました。
訂正かねがね、改めてこの「ヘルツ・アス Herz Ass」をご紹介します。
鈴木省三によると(鈴木省三『ばら花図譜 国際版』15頁、小学館、1996年)、ばらに紅の色素を持ち込んだのは、ロサ・ガリカ(Rosa gallica Linnaeus)という原種であるとされています。
写真を見ると、濃いピンクから紫に近い色です。
このロサ・ガリカの歴史自体古く、最古の栽培の歴史を持つ植物の一つと考えられています。
もともとは近東から小アジア、コーカサス地方に自生していたのが、紀元前にヨーロッパに広がりました。2世紀頃のものとされるエジプトの墳墓群から、ロサ・ガリカの交雑種のリースが見つかっています。きっと薫り高いばらだったのでしょう。
ヨーロッパでロサ・ガリカの栽培が本格的に始まったのは、フランスのシャンパーニュ伯チボー4世(テオバルド1世、ナバーラ王)が十字軍遠征の帰り道に、パレスチナからプロヴァンス地方に持ち帰ってからと言われています。ですので、13世紀前半に始まったのでしょう。その後、様々な品種の元になっていきました。
これらのばらはフレンチ・ローズという系統に分類されます。
モダン・ローズ、つまり現代ばらの主流となったハイブリッド・ティと呼ばれる品種の第一号が、うちでも咲いてくれている「ラ・フランス La France」です。1867年にフランスのギョー(Jean-Baptiste Guillot)が作出しました。
特徴は、剣弁咲きで花びらが多く四季咲きの大輪、オールド・ローズのダマスク香とティー・ローズの紅茶のような香りを兼ね備えていて、それまでの品種にはない性格がありました。そこでイギリスのH.ベネット(Henry Benett)がハイブリッド・ティという新しい品種として位置づけました。
鈴木省三はこのハイブリッド・ティローズをして「バラ栽培史において20世紀の申し子とも言うべき存在」(鈴木省三『ばら花図譜 国際版』30頁、小学館、1996年)と評しています。
「ラ・フランス La France」」から、例えば歴史上黄色のばらが初めて作出されたりして、イギリスとフランスで様々な新しい品種の始祖となりました。
それが20世紀に入り、アメリカ、アイルランド、ドイツでも新しい品種が作出されるようになりました。
ドイツに渡ったハイブリッド・ティからコルデス(W.Kordes)が、紅ばら「クリムソン・グローリー」を1935年に作出しました。
この花は今でも人気の高い品種で、うちの近所のスーパーでも苗木が売っているのを見かけた事があります。「クリムソン・グローリー」からその後、色々な作出家によって、様々な紅ばらが作られていき、現代ばらの紅ばらの祖となりました。
そういう意味では紅ばらは、ドイツのお家芸とも言うべき品種です。
「ヘルツ・アス Herz Ass」のような育てやすい、見事な紅ばらがドイツで作出されるのもごく自然な流れなのでしょう。
「ヘルツ・アス Herz Ass」は1998年にタンタウ(Tantau)社が作出したばらです。タンタウはコルデスと同じ頃の、1906年にばらの園芸場を作り品種改良を行ってきました。
ドイツのばらというとコルデスの方が圧倒的に有名ですが、タンタウもそれに負けないくらい、今でもいいばらを作り続けています。2002年に日本で種苗登録されたバラ品種の一覧を見ると、それがよく分かります。
訂正かねがね、改めてこの「ヘルツ・アス Herz Ass」をご紹介します。
鈴木省三によると(鈴木省三『ばら花図譜 国際版』15頁、小学館、1996年)、ばらに紅の色素を持ち込んだのは、ロサ・ガリカ(Rosa gallica Linnaeus)という原種であるとされています。
写真を見ると、濃いピンクから紫に近い色です。
このロサ・ガリカの歴史自体古く、最古の栽培の歴史を持つ植物の一つと考えられています。
もともとは近東から小アジア、コーカサス地方に自生していたのが、紀元前にヨーロッパに広がりました。2世紀頃のものとされるエジプトの墳墓群から、ロサ・ガリカの交雑種のリースが見つかっています。きっと薫り高いばらだったのでしょう。
ヨーロッパでロサ・ガリカの栽培が本格的に始まったのは、フランスのシャンパーニュ伯チボー4世(テオバルド1世、ナバーラ王)が十字軍遠征の帰り道に、パレスチナからプロヴァンス地方に持ち帰ってからと言われています。ですので、13世紀前半に始まったのでしょう。その後、様々な品種の元になっていきました。
これらのばらはフレンチ・ローズという系統に分類されます。
モダン・ローズ、つまり現代ばらの主流となったハイブリッド・ティと呼ばれる品種の第一号が、うちでも咲いてくれている「ラ・フランス La France」です。1867年にフランスのギョー(Jean-Baptiste Guillot)が作出しました。
特徴は、剣弁咲きで花びらが多く四季咲きの大輪、オールド・ローズのダマスク香とティー・ローズの紅茶のような香りを兼ね備えていて、それまでの品種にはない性格がありました。そこでイギリスのH.ベネット(Henry Benett)がハイブリッド・ティという新しい品種として位置づけました。
鈴木省三はこのハイブリッド・ティローズをして「バラ栽培史において20世紀の申し子とも言うべき存在」(鈴木省三『ばら花図譜 国際版』30頁、小学館、1996年)と評しています。
「ラ・フランス La France」」から、例えば歴史上黄色のばらが初めて作出されたりして、イギリスとフランスで様々な新しい品種の始祖となりました。
それが20世紀に入り、アメリカ、アイルランド、ドイツでも新しい品種が作出されるようになりました。
ドイツに渡ったハイブリッド・ティからコルデス(W.Kordes)が、紅ばら「クリムソン・グローリー」を1935年に作出しました。
この花は今でも人気の高い品種で、うちの近所のスーパーでも苗木が売っているのを見かけた事があります。「クリムソン・グローリー」からその後、色々な作出家によって、様々な紅ばらが作られていき、現代ばらの紅ばらの祖となりました。
そういう意味では紅ばらは、ドイツのお家芸とも言うべき品種です。
「ヘルツ・アス Herz Ass」のような育てやすい、見事な紅ばらがドイツで作出されるのもごく自然な流れなのでしょう。
「ヘルツ・アス Herz Ass」は1998年にタンタウ(Tantau)社が作出したばらです。タンタウはコルデスと同じ頃の、1906年にばらの園芸場を作り品種改良を行ってきました。
ドイツのばらというとコルデスの方が圧倒的に有名ですが、タンタウもそれに負けないくらい、今でもいいばらを作り続けています。2002年に日本で種苗登録されたバラ品種の一覧を見ると、それがよく分かります。
コメント
_ とまこ ― 2008年07月08日 11時07分18秒
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://atahara.asablo.jp/blog/2007/11/01/2994878/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。





私の中の「カルメン」などのイメージからですね。
薔薇といえば「真紅」がメジャーだという知識程度でしたが、勉強になります。